嘉左エ門氏アトリエからバスに揺られること約5分。
あっという間に減反画廊に到着した一行。
嘉左エ門さん「この辺を通った人が車を降りて記念撮影をしたりしているのを見ると、うれしいなと思います」
皆川先生「親父に“減反画廊に置くから何か作品を造ってくれ”と言われましてね」
お父さん、自慢の息子さんの作品はいかがですか? と伺うと
ニヤリと一言、
嘉左エ門さん「さすが芸大卒!」
自分のお父さんには創作活動へ大反対の憂き目にあったという嘉左エ門さん。
息子の皆川先生に対する肯定の心と、深い愛を惜しみなく表現なさる。
次は県南地域に広く分布しているという道祖神「鹿島さま」へ。
なかでも有名なのが、湯沢市岩崎地区のこちら。
巨大な藁人形の鹿島さまは道祖神という説があり、集落の入り口に置かれていることが多いそう。
こちらは顔が藁で作られているタイプ。
この神様のお面を嘉左エ門さんが奉納されたという、岩崎八幡神社・水神社へ。
鹿島さまには木面のタイプもあるそうで、それがこちら。
鹿島祭りというお祭りが年に一度行われており、
「虫送り」の一種で、集落に入ってきた悪霊や疫病、害虫を村の外に追い出すためのものだったそう。
「鹿島送り」「鹿島流し」といって、鹿島さまを水に流す地域もあるそうですが、
ここ岩崎地区では佐竹氏が氏神さまである八幡さまをお祭りした信仰と混合し、
鹿島さまが武甕槌神(タケミカヅチノカミ)や鹿島大明神として
集落の境で悪霊や疫病などを防いでくれるという信仰であるとも言われているそうです。
詳しく知りたい方は
「潜入ルポ:シンポジウム「辺境と芸術」で司会を務められた
文化人類学者石倉敏明先生と、写真家田附勝さんの共著
『野生めぐり』(淡交社、2015)をご一読ください。
石倉敏明(文)、田附勝(写真)
『野生めぐり』(淡交社、2015、2,160円)
【問い合わせ先】
鹿島さま
秋田県湯沢市岩崎字千年283
☎︎0183-73-2904(岩崎地区センター)
→嘉左エ門氏とめぐる県南地域の旅 その④へつづく