その1「AKIBI PLUS」って何なの?

(プロジェクトリーダー/岩井成昭先生の話)



まずは、この謎のプロジェクト「AKIBI PLUS」のプロジェクトリーダー、

岩井成昭先生から、

 

「AKIBI PLUS」って何なの?

 

という、肝心要のお話が。

 

©Atsumi Kosaka
©Atsumi Kosaka

岩井成昭先生

 岩井成昭(いわい・しげあき)

1962年東京生まれ。1990年より音声やノイズなどを収集し、ギャラリー空間に再構成したサウンド・インスタレーションを連続して発表する。90年代後半からは人と社会の関係性にテーマを求め、主に欧州・豪州・日本における多文化状況の調査を通して、ビデオや音声による作品を制作。近年では、以前からの手法に加えて、インスタレーション・テキスト・パフォーマンスなど、使用メディアや作品形態の幅をさらに広げると共に、世界各地の都市や地方に滞在し、地域のコミュニテイや伝統を現代の文脈の中で再構築する試みを続けている。2013年より、秋田公立美術大学教授。


 

 

 

岩井成昭先生(以下、岩井) みなさん、こんにちは。

              今日はシンポジウムが始まる前に、

              今回の取り組み『AKIBI PLUS』というプロジェクトについて

              ご説明したいと思います。

              私は『AKIBI PLUS』を統括しております、岩井と申します。

              よろしくお願いいたします。

頑張れ、岩井先生!
頑張れ、岩井先生!

市民も、大学で学ぼう。


岩井  『AKIBI PLUS』は文化庁の補助金を活用した事業で、

    大学を活用した文化芸術推進事業であります。

    早い話が、大学を活用して学外の市民を対象にした講座をつくりだすというものです。


    したがって、学生の皆さんはもちろん聴講可能ですが、

    学外の市民の方たちにぜひ講座を受けていただきたい、という

    思いが強いプロジェクトであります。

「アート」と「秋田」、

足りないのは「つなぎ手」である


岩井  我々の大学は新しい芸術表現を作り出すということに日夜注力しています。

    ただし、そこで生み出した芸術表現を市民の側に届けるということには、

    大きな課題があると日々感じております。

 

    いうなれば、その「つなぎ手」の役割がアートマネージメントの一つの役割でして、

    そういう人材を育成したい。

    今回のプロジェクトはそういったつなぎ手を育成するためのものです。


    全体で5つのプロジェクトが進行します。

    今回のシンポジウムは

    「プロジェクト1 地域課題研究+ウェブメディア」の一環です。


    地域課題研究をしていきながら、問題解決型のアート、

    あるいは地域の人たちとのアートを介したつながりを

    見ていきたいと思っております。

男鹿、県南、五城目バスツアーも

 

岩井  今日のシンポジウムを皮切りに、

    男鹿、秋田県南部(横手・十文字地域)、五城目の全3回のバスツアーを計画しております。

    このバスツアーでは、実際に地域課題に取り組んでいる人たちにお会いし、

    アートと社会の関係性を学んでいくというプログラムです。

 

    このプログラムは、通しで受講していただくというのが理想的な形でして、

    ぜひ通して受講申し込みをしていただければと思います。

    通しで参加すると優先的にバスツアーに参加できます。

 

実験!ローカルメディアの「伝える」技は

アートマネージメントに生かせるか、否か。


岩井  このプロジェクト1の特徴は、

    アートマネージメントをローカルメディアと協働していく点です。


    メディアには人に伝える技術が詰まっています。

    そこでその技術をアートマネージメントに応用できないかという観点から、

    プロジェクト1では、ウェブで発信している組織と組んで、

    このプロジェクトをウェブで発信したものが、

    その後SNSなどでどのように広がっていくのか、

    ウェブメディアならではの相互作用が生まれるのかなどの実験も含めて

    見ていきたいと思っています。


    秋田を代表するウェブメディアとして「秋田経済新聞」と

    同人誌的な視点から非常にユニークな活動をされている、

    秋田を面白がるウェブマガジン「ユカリロ」、

    この2紙とつながりながら進めていく予定です。



大人こそ挑戦!

秋田とアートを結ぶための「宿題」とは


岩井  バスツアーに参加していただく方々はこの2つのメディアと、

    なんらかのつながりを持っていただきます。

    ツアーの内容を、文章・写真・イラストなどでレポートする、という

    いわば「大人の宿題」「大人の自由研究」のような形を報告していただきます。

    それをユカリロがまとめながら、

    アートマネージメントの考えかたを深めていこうというプログラムです。


    説明が少々複雑な仕組みですけれども、

    みなさんと一緒につくりあげていくというようなプログラムになっていますので、

    どうぞご興味のある方はご参加のほどよろしくお願いいたします。

 

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