「リノベーション」
という言葉をいろいろなところで聞くようになった昨今。
もともとあった建物を使いやすくしたり、
かっこよくしたり、元とは違う用途で使えるようにして
古い建物も上手に活用する、というような意味です。
「それって、リフォームと何が違うんだべ?」
という声も聞こえてきそうですが。
都会では、古いビルや倉庫をかっこよく改装したオフィスや
カフェ、バー、ホテルなんていうのもあるんだそうです。
古くなった建物は壊すしかない?
いや、実は古い建物にはもっと新しい価値を生み出す可能性がある。
それが「リノベーション」の基本的な考え方です。
「空き家」
というキーワードにも、なんだか隠されたお宝的な、
魅力的な響きが感じられるようになりました。
しかし、秋田ではむしろ、
深刻化する「空き家問題」にどう向き合うのか、
という切実なテーマと、切っても切り離せないトピックです。
プログラム第1回となる、男鹿半島空き家ツアーは
里山カフェの「ににぎ」オーナー、
猿田真(さるた・まこと)さんが講師です。
辺境の地・秋田、
それも正真正銘、なまはげの本拠地である男鹿半島に戻り、
古民家カフェを営んでいる、猿田さん。
男鹿半島のなかでも
冬のハタハタ漁で有名な地域のひとつ、
男鹿半島の北浦 真山地区に、
代々受け継いできたご自宅の一部を改装したカフェで
お客様を迎え入れています。
ちなみに、冬はこんな感じ。
「ここ数年、男鹿で新しいカフェを開業した人はいない」
という、猛烈な逆風の中、一人孤軍奮闘してきた猿田さん。
そんな猿田さんの悩みが
人口減少と流出が続くこの地方で
「一緒に男鹿を盛り上げてくれる仲間がほしい」
という切実なものでした。
今まで何度お客さんや知人に
「男鹿、いいところですね」と言われてきたことでしょう。
猿田さん 「そうでしょう、いいところでしょう。
……どうですか? いっそのこと住んでみるってのは……。」
(と、さらりと言ってみる。本当はドキドキ)
お客さん 「えっ……、それは……、ちょっと……。」(そそくさと退散)
※以上のやりとりはユカリロの想像です。
猿田さん 「………………」
この繰り返しだった数年ですが
そんな猿田さんに、一筋の光明が。
2015年4月、念願の移住者第1号となる、
池内和美さんが北浦に引っ越してきたのです。
北海道出身で、秋田が大好き、
特に男鹿が大好きという和美さん。
カフェやレストランで働いてきた経験を生かし、
ににぎのお手伝いとして、男鹿で働き始めました。
とはいうものの、内心は
初めて移り住むさびれた田舎街での暮らしに
はたして馴染んでくれるだろうか? と心配もあるのだとか。
そんな猿田さんが
空き家ツアーに寄せる思いは
「仕事を自ら作り、地元に根を張って暮らしてくれる人をもっと増やしたい。
そして地域の交流やつながりを大切にするお祭りや
なまはげなどの伝統行事などを残すことはできないだろうか?」
と、真剣そのものです。
猿田さんの今回のツアーにかける思いは
ここでも読むことができますよ。
さて、男鹿半島空き家ツアー、
ムード予想はこんな感じでしょうか。
なまはげ度
地域色度
クリエイティブ度
秘宝探しワクワク度
移住期待度
★
★★★
★★★★
★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★……
<AKIBI plus project1「男鹿半島空き家ツアー」>
開催日:2015年9月12日(土) 9:00~17:00
参加費:無料(昼食は持参か別途1000円で昼食+珈琲を選択<事前予約必要>)
※近隣にコンビニなどはございませんのでご注意ください。
(問い合わせ先)
秋田公立美術大学事務局企画課(018-888-8478)